出世するなら会社法

書名:出世するなら会社法

著者:佐藤 孝幸

 

仕事において合弁やカーブアウトなどの話題が挙がることがあり、会社を運営するとはどういうことなのか?起業するにはどういうことを知っておく必要があるのか?を知りたいと考え、この本を手に取った。

「役員」「株主と経営者」「少数株主」「起業」「親子上場、経営者による企業買収(MBO)」「敵対的買収、公開買い付け(TOB)」「新株発行」「倒産」の項目に関して触れられていた。

 

■新しく知った知識

執行役員:経営の監督(=取締役会)と執行(=執行役員)を分離することで機動的な経営を行うことが目的。役員ではないけれど、従業員のトップ、「役員と従業員の中間的な存在」としての執行役員
・コーポレート・ガバナンス:委任者である株主とエージェントである経営者の利害は一致しない。これをいかに低減・解消するかとい議論

・少数株主の権利:一部の多数派株主の不正に対抗するための手段。意見を言う、情報にアクセスする、不正を咎める。3%以上に意味がある。

・種類株式:優先株式(優先的に配当を与える)は社債(一定の利息がつく)に近い。など9種類が例示

・株式公開:不特定の投資家から出資を募ることができる、知名度があるなどメリットがあるものの、敵対的買収を仕掛けられるリスクがあるので、MBOで非公開化する場合がある。

持株会社:ホールディング・カンパニー。企業グループの経営資源の効率化(資金、設備、ノウハウなどの融通)によるグループ経営。

敵対的買収:株主と経営者との間に利害対立がある。買収防衛策(既存株主向けの新株予約券の発行など)や株式持ち合いなどの対策がある。

 ・新株発行:①株主割当て:持株割合に応じて新株予約券を割り当てる、②第3者割当:特定のものだけに新株を割り当てる、③公募

 

■感想

なぜそういう制度になっているか?理由についての説明もあり理解が深まった。良く聞くが正確に理解していない単語(種類株式、MBO, TOBなど)の理解ができた。各章のサマリが章末に設けられており、将来の振り返りの際にリファレンスとして便利な書籍であると感じた。

 

個人的な評価:★★★★☆(4.0)