やりなおし高校地学 ──地球と宇宙をまるごと理解する

書名:やりなおし高校地学 ──地球と宇宙をまるごと理解する

著者:鎌田浩毅

 

最近、地質や鉱物などに興味があるにも関わらず、学生の時に地学を学習したことが無かったため、手に取った。地学は、ミクロの鉱物からマクロの宇宙の果てまで、「固体地球」「岩石・鉱物」「地質・歴史」「大気・海洋」「宇宙」という広範囲を取り扱う学問とのこと。

 

■新しく知った知識

マントルが、海洋プレート由来の水によって融点が下がるとマグマになる。 

・日本は世界の400分の1の面積だが、世界の10%の地震が起こっている

・世界の活火山の約1割が日本にある。

・火成岩はマグマが冷却して固まってできた岩石。堆積岩は 、礫 や砂粒、粘土といった物質が堆積することによってできた岩石。変成岩は、温度や圧力などで鉱物が化学変化した(変成した) 岩石

 

 ・オゾンが紫外線を吸収する結果、成層圏では高度が高くなるにつれて気温が高くなる

潮汐力は引力と遠心力の合成。地球、月、太陽が一直線に並ぶと大潮

エルニーニョはペルー沖で低温の深層水が上昇してこないことが原因

平安時代は今よりも温暖な時期だったが、14 世紀以降は寒冷化。長い視点で見ると、現代は寒冷化に向かう途中の、「短期的な地球温暖化」にある。

 

・宇宙誕生から 38 万年たったころ、電子と原子核が結びついて「原子」が誕生した。宇宙空間を霧のように覆っていた電子が急速に減り、光が宇宙空間を通過できるようになった(宇宙の晴れ上がり)。

・宇宙の構成要素。通常の物質4%、ダークマター23%、ダークエネルギー73%。

・小さな恒星の方が寿命が長くなる。大きい星は重力が強くなり、水素の核融合反応も激しくなり水素の消費量が大きくなる。

・私たちの銀河系のような「銀河」が2兆個以上あり、1つの銀河は、数百万~数千億個もの「恒星」で構成されている

 

■感想

地学はスケールの大きい話が多く、気分転換には良かった。新しい知識もたくさん得られた。地学は日常の悩みがちっぽけなもののように思える点が良い。大学センター試験の問題/解説欄は、読書の流れが断ち切られるように感じた。

 

個人的な評価:★★★☆☆(3.0)